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歯周病とは?歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏の違いと治療法について

2021年9月8日

歯周病とは、歯だけでなく口腔内、やがては全身の健康状態を脅かす病気です。このようなリスクを避けるには、歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏など歯周病についての知識を深め、予防することが大切なポイントです。今回の記事では、それぞれの特徴、早期発見するための方法、日常生活で見直すべきことについて解説します。

 

 

■歯周病とは?

 

歯周病とは、細菌の感染を原因とする炎症性の疾患です。症状が重くなると、歯を支える歯肉や骨が弱り、最終的には歯を失うという結果をもたらしてしまいます。

歯周病は自覚症状がない病気ではあるものの、30歳以上の成人においては、80%以上の方が歯周病にかかっていると言われています。

 

●歯周病の症状

 

・自分で口臭が気になる、または周囲から指摘された

・朝起きると、口の中がネバネバしている

・歯磨きをすると歯肉から血が出る

・歯肉が赤くはれている

・歯肉が下がっているので、歯が長く見える

・歯と歯の間に食べ物がつまりやすくなった

・歯がグラグラして、浮いているような感覚がある

このような症状に心当たりがある場合は、歯周病になっている可能性が高い傾向があります。

 

 

●歯周病の原因

 

歯周病の原因は、口腔内に生息している細菌だと考えられています。通常、私たちの口腔内には数百種類もの細菌が住み着いています。健康な状態ならば歯や口腔内に害をもたらすものではありません。しかし、不十分な歯磨きや不規則な食生活が続くと、ネバネバとした「歯垢(プラーク)」を生み出します。歯垢はわずかな量でも約10億個もの細菌を含み、厄介なことにうがいでは落としきれません。そして、口腔内の歯垢を放置していると、歯肉や歯、歯を支えている骨にもダメージをもたらしてしまいます。

 

■歯肉炎について

 

歯周病は症状の進行度によって2種類に分かれ、歯肉での炎症が歯茎でとどまっていれば「歯肉炎」、顎の骨まで及んでいる場合には、「歯周炎」と呼ばれます。歯肉炎とは、歯肉が損傷を受けたときに起こる症状です。「歯肉が腫れて赤くなる」「歯磨きをすると出血する」「口臭が生じる」などの症状が目立つようになります。

歯肉炎の原因は磨き残しだけではなく、生活習慣の乱れ、喫煙習慣、カンジダやヘルペス、ホルモンバランスの変化などが関係することもあります。

 

●歯周病との関係

 

歯肉炎は歯周病の一部です。歯肉炎と歯周炎を総称したものが歯周病であり、歯肉炎は歯周病の初期段階と捉えられています。

 

 

●歯肉炎の治療

 

歯肉炎の治療は、歯石除去と歯磨き指導がメインです。最大の原因となる歯石の蓄積を防ぐため、歯科医師・歯科衛生士によるプロフェッショナルケアと患者様によるホームケアが必要となります。また、症状の進行を防ぐ目的で、定期的なメンテナンスも求められます。

 

■歯周炎について

 

歯肉炎が進行し、歯茎だけでなく歯槽骨にまで炎症が及んでいる状態を指します。この状態になると、「歯肉が赤紫色になる」「歯肉の腫れがさらにひどくなる」「歯と歯の間が広がる」「食べ物が詰まりやすくなる」「歯槽骨が溶け始める」などのトラブルが増えていきます。

 

 

●歯周病との関係

 

歯周炎は、歯周病がある程度進行し、患者様ご自身でも自覚症状を覚える状態です。症状が悪化するごとに歯や口腔環境へのダメージは大きくなるので、早期治療と定期的なメンテナンスで、歯周病の進行を抑える必要があります。

 

●歯周炎の治療

 

歯周炎の治療も、歯石除去と歯磨き指導がメインです。ただし、これらの治療を行っても改善が見られない、もしくは症状が深刻な場合は外科手術に移ります。歯茎を切開して歯石を取ったり、歯周組織の再生療法を行ったりします。

 

■歯槽膿漏とは?

 

歯周病と聞いて、「歯槽膿漏」との違いについて戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。かつて歯槽膿漏は「食事や歯磨きなどで刺激を与えなくても、歯茎から血や膿が出る」「口臭が強くなる」「歯がグラグラする」などの歯周病が重症化した状態を指していました。文字通り膿が漏れる状態です。しかし、現在ではテレビや雑誌などを除いて、あまり使われなくなっています。

 

■まとめ

 

歯周病は歯や口腔環境に徐々にダメージを与え、自然に改善されることはありません。そこで歯科医院での定期健診やクリーニングに加え、自宅での丁寧な歯磨きによって、症状の進行を防ぐことが何よりも大切なポイントです。わずかな症状や違和感も軽視せず、早め早めに対応していきましょう。少しでも歯周病の疑いがあれば、お気軽に、歯周病専門医の在籍する当院までご相談ください。

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